かしまたちつりたいのあや

頁 音　　　　　字 数　　　　　字 1 　かしまたちつりたいのあや ふそゐすす　こそみゑとしの さあゑなつ　かぐゑしほみて ふとまにの　しちりはやもり はげしくて　つねすみのくに みせしむる　よこべかえりて もふさくは　いつもやゑがき おほなむち　みつれはかくる 　かしまたちつりたいのあや 二十五すゝ　九十三ゑとしの さあゑなつ　かぐゑしほみて ふとまにの　しちりはやもり はげしくて　つねすみのくに みせしむる　よこべかえりて もふさくは　いつもやゑがき おほなむち　みつれはかくる 2 ことはりか　ぬかおたまかき うちみやと　これここのゑに くらふなり　さきにみこもり おもいかね　しなのいなほら あちのかみ　よりてななよの うなめこと　たかきねやすの いまみよに　たがわかみやの かふのとの　たかみむすびの ことはりか　ぬかおたまかき うちみやと　これ九ゝのゑに くらふなり　さきにみこもり おもいかね　しなのいなほら あちのかみ　よりてなゝよの うなめこと　たかきねやすの いまみやに　たがわかみよの かふのとの　たかみむすびの 3 かみはかり　いづもただすは たれよけん　ほひのみことと みないえは　ほひのみことに むけしむる　しかれとほひは くにかみに　へつらいこびて みとせまて　かえことあらて おおせいい　みくまのやれは ちちかまま　かえらねはまた かみはかり　いづもたゞすは たれよけん　ほひのみことゝ みないえは　ほひのみことに むけしむる　しかれとほひは くにかみに　へつらいこびて みとせまて　かえことあらて おゝせいゝ　みくまのやれは ちゝかまゝ　かえらねはまた 4 かみはかり　つかはすひとは あまくにの　あめわかひこと きわまりて　たかみむすひか かこゆみと　ははやたまひて むけしむる　このかみもまた まめならす　たかてるひめお めとりつつ　あしはらくにお のらんとて　やとせふるまて かみはかり　つかはすひとは あまくにの　あめわかひこと きわまりて　たかみむすひか かこゆみと　はゝやたまひて むけしむる　このかみもまた まめならす　たかてるひめお めとりつゝ　あしはらくにお のらんとて　やとせふるまて 5 かえらねは　ななしのきぎす といくたす　あめわかひこか かどのまえ　かつらのすえに しわざみて　ほろろほろろと なくおきき　さくめかつげに なもなくて　あめおなくやと わかひこか　ははやおいれは むねとほり　とびてたかみの かえらねは　なゝしのきゞす といくたす　あめわかひこか かどのまえ　かつらのすえに しわざみて　ほろゝほろゝと なくおきゝ　さくめかつげて なもなくて　あめおなくやと わかひこか　はゝやおいれは むねとほり　とびてたかみの 6 まえにおき　けんけんもなく ちのははや　たかみむすびは これおみて　とがむかえしや わかひこか　むねにあたりて うせにしお　かえしやおそる もとおりや　たかてるひめの なくこえの　あめにきこえて たらちねの　はやぢにかばね まえにおき　けんけんもなく ちのはゝや　たかみむすびは これおみて　とがむかえしや わかひこか　むねにあたりて うせにしお　かえしやおそる もとおりや　たかてるひめの なくこえの　あめにきこえて たらちねの　はやぢにかばね 7 ひきとりて　もやおつくりて かりもかり　おくるかわかり きさりもち　にわとりはきし すすめいゐ　はとはものまさ ささきみそ　とびゆふまつり からすつか　やひやよいたみ もおつとむ　たかてるのあに たかひこね　あめにのほりて ひきとりて　もやおつくりて かりもかり　おくるかわかり きさりもち　にわとりはきし すゝめいゐ　はとはものまさ さゝきみそ　とびゆふまつり からすつか　八ひ八よいたみ もおつとむ　たかてるのあに たかひこね　あめにのほりて 8 もおとえは　このかみすかた わかひこに　うるりわけゑず しむのもの　きみはいけりと よちかかり　やほたまゆらと まとふとき　いかるあちすき たかひこね　ともなれはこそ おちにとふ　われおなきみに あやまつは　あらけがらしや もおとえは　このかみすかた わかひこに　うるりわけゑず しむのもの　きみはいけりと よちかゝり　八ほたまゆらと まとふとき　いかるあちすき たかひこね　ともなれはこそ おちにとふ　われおなきみに あやまつは　あらけがらしや 9 はらたちと　もやきりふせる あおはかり　さけてかんとお さらんとす　むかしなかやま みちひらく　かなやまひこの まごむすめ　したてるおくら たかひこの　いかりとかんと みちかうた　よみてさとせり あめなるや　おとたちばたの はらたちと　もやきりふせる あおはかり　さけてかんとお さらんとす　むかしなかやま みちひらく　かなやまひこの まごむすめ　したてるおくら たかひこの　いかりとかんと みちかうた　よみてさとせり あめなるや　おとたちばたの 10 うながせる　たまのみすまる みすまるの　あなたまはやみ たにふたわ　たらずあちすき たかひこねぞや このうたに　つつきもしれり たかひこも　いかりゆるめて たちおさめ　みとのみやびお さとさんと　こたえのうたに うながせる　たまのみすまる みすまるの　あなたまはやみ たに二たわ　たらずあちすき たかひこねぞや このうたに　つゝきもしれり たかひこも　いかりゆるめて たちおさめ　みとのみやびお さとさんと　こたえのうたに 11 あまさがる　ひなづめのいは たたせとひ　しかはかたふち かたふちに　あみはりわたし めろよしに　よしよりこねい しかはかたふち このうたは　のちのゑにしの あふうすの　かもゐとむすふ ひなぶりはこれ あまさがる　ひなづめのいは たたせとひ　しかはかたふち かたふちに　あみはりわたし めろよしに　よしよりこねい しかはかたふち このうたは　のちのゑにしの あふうすの　かもゐとむすふ ひなぶりはこれ 12 このたひは　たかみむすびの とみかれお　のぞくかどでの かしまたち　わにすきまつる かみはかり　ふつぬしよしと みないえは　たけみかつちか すすみいて　あにただひとり ふつぬしか　まさりてわれは まさらんや　たかきいさみの このたひは　たかみむすびの とみかれお　のぞくかどでの かしまたち　わにすきまつる かみはかり　ふつぬしよしと みないえは　たけみかつちか すゝみいて　あにたゞひとり ふつぬしか　まさりてわれは まさらんや　たかきいさみの 13 みかつちや　ふつぬしそえて かしまたち　いつもきつきに かふつちの　つるきおうえて うつくまり　なちりとふなり みほこりて　あさむくみちお ならさんと　われらつかふぞ そのこころ　ままやいなやや おほなむち　こたゑとわんと みかつちや　ふつぬしそえて かしまたち　いつもきつきに かふつちの　つるきおうえて うつくまり　なちりとふなり みほこりて　あさむくみちお ならさんと　われらつかふぞ そのこゝろ　まゝやいなやゝ おほなむち　こたゑとわんと 14 みほさきの　つりえききすの いなせはぎ　あめのこたえお とふときに　ことしろぬしか ゑみすかほ　われすずかにて たらちねに　ほろろなけとも ちのたゐぞ　さかなときるも おろかなり　たかまはたみの ゑみすたゐ　いとかけまくぞ みほさきの　つりえきゝすの いなせはぎ　あめのこたえお とふときに　ことしろぬしか ゑみすかほ　われすずかにて たらちねに　ほろゝなけとも ちのたゐぞ　さかなときるも おろかなり　たかまはたみの ゑみすたゐ　いとかけまくぞ 15 みことのり　わかちちさらば もろともの　かえことなせは またひとり　ありといふまに あらはるる　たけみなかたぞ ちびきいわ　ささけてたれか わがくにお　しのびしのびに おとさんや　いてわかちから くらへんと　とるてもいわの みことのり　わかちゝさらば もろともの　かえことなせは またひとり　ありといふまに あらはるゝ　たけみなかたぞ 千びきいわ　さゝけてたれか わがくにお　しのびしのびに おとさんや　いてわかちから くらへんと　とるてもいわの 16 みかつちか　とらえてなぐる あしがひの　おそれてにくる しなのうみ　すわといふとき かしこみて　われおたすけよ このところ　ほかえはゆかじ そむかしと　いえはたすけて たちかえり　とえはことふる おほなむち　そのこのままお みかつちか　とらえてなぐる あしがひの　おそれてにくる しなのうみ　すわといふとき かしこみて　われおたすけよ このところ　ほかえはゆかじ そむかしと　いえはたすけて たちかえり　とえはことふる おほなむち　そのこのまゝお 17 ふたかみえ　わかこさりにき われもさる　いまわれさらは たれかまた　あえてなれなん ものあらし　わかくさなきの このほこに　ならしたまえと いひてさる　さかふはきりつ まつらふは　ほめてもろかみ ひきいつつ　あめにかえれは 二たかみえ　わかこさりにき われもさる　いまわれさらは たれかまた　あえてなれなん ものあらし　わかくさなきの このほこに　ならしたまえと いひてさる　さかふはきりつ まつらふは　ほめてもろかみ ひきいつゝ　あめにかえれは 18 こふのとの　まつりおとつて みことのり　なんちふつぬし あわうわの　とふるみちひき さかんなり　またみかつちは かしまたち　いつおあらはす もののべの　なんたやわらに もとすより　たまふかんへは かしまかみ　ときにまつらふ こふのとの　まつりおとつて みことのり　なんちふつぬし あわうわの　とふるみちひき さかんなり　またみかつちは かしまたち　いつおあらはす ものゝべの　なんたやわらに もとすより　たまふかんへは かしまかみ　ときにまつらふ 19 おほなむち　ももやそかみお ひきゐきて　まめもひかげの なんたあり　たかみむすびの たたしゑた　ことわりあれは みことのり　たまふあそべの あかるみや　あふゆおうくる おほなむち　あかるあそへの うもとみや　つくるちひろの おほなむち　百ゝ八十かみお ひきゐきて　まめもひかげの なんたあり　たかみむすびの たゝしゑた　ことわりあれは みことのり　たまふあそべの あかるみや　あふゆおうくる おほなむち　あかるあそへの うもとみや　つくる千ひろの 20 かけはしや　ももやそぬゐの しらたけに　うつしくにたま おほなむち　つかるうもとの かみとなる　ほひのみことお もとまつり　たかみむすびの おをんこと　なんぢものぬし くしひこよ　くにつめとらば うとからん　わかみほつひめ かけはしや　百ゝ八十ぬゐの しらたけに　うつしくにたま おほなむち　つかるうもとの かみとなる　ほひのみことお もとまつり　たかみむすびの おをんこと　なんぢものぬし くしひこよ　くにつめとらば うとからん　わかみほつひめ 21 つまとして　やそよろかみお つかさとり　みまこおまもり たてまつれ　たまふよろぎは なめことの　ちくさよろぎの なおたたす　このみやしれは よよのため　やめるおいやす みちおわけ　よつきはひとり よろきまろ　みほひこのつま つまとして　八十よロかみお つかさとり　みまこおまもり たてまつれ　たまふよろぎは なめことの　ちくさよろぎの なおたゝす　このみやしれは よゝのため　やめるおいやす みちおわけ　よつきは一とり よろきまろ　みほひこのつま 22 すゑつみか　いくたまよりめ そやこうむ　こしあちはせの しらたまめ　そやのひめうむ みそむたり　ゆだねひたせは みことのり　たまふをしては こもりかみ　せみのおかわに みそきして　ちのわにたたす みなつきや　たみながらふる すゑつみか　いくたまよりめ 十八こうむ　こしあちはせの しらたまめ　十八のひめうむ 三十六たり　ゆだねひたせは みことのり　たまふをしては こもりかみ　せみのおかわに みそきして　きのわにたゝす みなつきや　たみながらふる 23 はらいなりけり 　みよものぬしみこのなうた こもりこの　あにはかんたち つきつみは　よしのみこもり よつはよて　つきはちはまひ こせつひこ　ななはならひこ やさかひこ　ここはたけふつ そはちしろ　そひはみのしま はらいなりけり 　みよものぬしみこのなうた こもりこの　あにはかんたち つきつみは　よしのみこもり よつはよて　つきはちはやひ こせつひこ　なゝはならひこ やさかひこ　こゝはたけふつ 十はちしろ　十一はみのしま 24 そふおおた　つきはいわくら うだみわけ　つきのみこもり そむさきす　つきはくわうち おとまろぞ　ひひめはもとめ たまねひめ　いそよりひめに むれのひめ　みはおりひめや すせりひめ　みたらしひめに やゑこひめ　こゆるきひめに 十二おゝた　つきはいわくら うだみわけ　つきのみこもり 十六さきす　つきはくわうち おとまろぞ　一ひめはもとめ たまねひめ　いそよりひめに むれのひめ　みはおりひめや すせりひめ　みたらしひめに やゑこひめ　こゆるきひめに 25 しもとひめ　みちつるひめや はもみひめ　むめちるひめに あさひめや　はさくらひめと わかねひめ　あわなりひめと とよりひめ　すへみそむかみ こたからぞこれ 　かつてかみよつきえるうた かつらきの　ひとことぬしか　 しもとひめ　みちつるひめや はもみひめ　むめちるひめに あさひめや　はさくらひめと わかねひめ　あわなりひめと とよりひめ　すへ三十六かみ こたからぞこれ 　かつてかみよつきゑるうた かつらきの　一とことぬしか 26 すゑつみか　やすたまとうむ かつきまろ　いみなやすひこ みほひこと　こことむすびの つたゑうけ　みうちにこれは おをんかみ　をしてたまわる かつてかみ　これもよつきの うたのみちかな すゑつみか　やすたまとうむ かつきまろ　いみなやすひこ みほひこと　こゝとむすびの つたゑうけ　みうちにこれは おをんかみ　をしてたまわる かつてかみ　これもよつきの うたのみちかな