きつのなとほむしさるあや

頁 音　　　　　字 数　　　　　字 1 ほつまつたゑみはたのはつ 　きつのなとほむしさるあや それわかは　わかひめのかみ すてられて　ひろたとそだつ かなさきの　つまのちおゑて あわうわや　てふちしほのめ うまれひは　かしみけそなえ たちまひや　みふゆかみおき ほつまつたゑ みはたのはつ 　きつのなとほむしさるアや それわかは 　わかヒめのかみ すてられて 　ひろたとそだつ かなさき（日納先）の 　つまのち（妻後）おゑて アわうわや 　てふちしほのめ うまれ（浮希）ヒは 　かしみけそなえ たちまひや（太刀真日夜） 　三ふゆかみおき 2 はつひもち　あわのうやまひ ももにひな　あやめにちまき たなはたや　きくくりいわひ ゐとしふゆ　そははかまきる めはかつき　ことばおなおす あわうたお　つねにをしゑて あかはなま　いきひにみうく ふぬむえけ　へねめおこほの はつヒもち 　アわのうやまひ もゝにひな 　あやめにちまき たなはたや 　きくくりいわひ ゐとしふゆ 　ｿｰははかまきる めはかつき 　ことばおなおす あわうたお（明輪歌御） 　つねにをしゑて アかはなま 　いきひにみうく ふぬむえけ 　へねめおこほの 3 もとろそよ　をてれせゑつる すゆんちり　しゐたらさやわ あわのうた　かだがきうちて ひきうたふ　おのつとこゑも あきらかに　ゐくらむわたこ ねこゑわけ　ふそよにかよひ よそやこゑ　これみのうちの めくりよく　やまひあらねは もとろそよ　をてれせゑつる すゆんちり 　しゐたらさやわ あわのうた 　かだがきうちて ひきうたふ 　おのつと（己努）こゑも あきらか（明らか）に 　五くらむわた（眩夢渡）ｺｰ ねこゑわけ 　二そよにかよひ（微に通日） よそやこゑ 　これみのうちの めくりよく 　やまひあらねは 4 なからえり　すみゑのおきな これおしる　わかひめさとく かなさきに　きつさねのなの ゆゑおこふ　おきなのいわく ひのいづる　かしらはひかし たけのぼる　みなみるみなみ ひのおつる　にしはにしつむ よねとみづ　かまにかしくは なからえり 　すみゑのオきな これおしる 　わかヒめさとく かなさきに 　きつさねのなの ゆゑおこふ 　オきなのいわく ヒのいづる 　かしらはひかし たけのぼる 　みなみるみなみ ヒのおつる（乙留） 　にしはにしつむ よねとみづ 　かまにかしくは 5 ひかしらや　にゑはなみなみ にゑしつむ　ゑかひとたびの みけはこれ　ふるとしふより つきみけの　ひとはもよろに つきむけの　ひとはふそよろ いまのよは　ただふよろとし いきなるる　みけかさなれば よわひなし　ゆえにおんかみ ひかしらや 　にゑはなみなみ にゑしつむ 　ゑか一とたびの みけはこれ 　ふるとし二より つきみけの 　ヒとはﾓｰよろに つき六けの 　ヒとは二そﾖｰろ いまのよは 　ただ二ﾖｰろとし いきなるる 　みけかさなれば よわひなし（夜話日納し） 　ゆえにオんかみ 6 つきにみけ　にかきはほなや みなみむき　あさきおうけて ながいきの　みやのうしろお きたといふ　よるはねるゆゑ きたはねぞ　もしひときたり ことわけん　あわねばきたよ あふはひで　みなみにことお わきまえて　おちつくはにし つきに三け 　にかきハほなや みなみむき 　ｱｶさきおうけて なガいきの 　みやのうしろお（微野の後路御） きたと（来門）いふ 　よるはねるゆゑ きたはねぞ 　もしヒときたり ことわけん 　あわねばきたよ あふはヒで 　みなみにことお わきまえて 　おちつくはにし 7 かえるきた　ねよりきたりて ねにかえる　きははるわかば なつあおば　あきにゑもみぢ ふゆおちば　これもおなしく ねはきたに　きざすひかしや さにさかゑ　つはにしつくる をはきみの　くにをさむれは きつおさね　よもとなかなり かえるきた 　ねよりきたりて（音より来りて） ねにかえる（音に還る） 　きははるわかバ なつあおバ 　あきにゑもみぢ ふゆおちバ 　これもおなしく ねはきたに 　きざすひかしや さにさかゑ 　つはにしつくる をはきみの 　くにをさむれは きつオさね 　よもとなかなり（夜基中形） 8 きはひがし　はなはもみなみ このみにし　みおわけおふる きのみゆえ　きみはそめかみ しかるのち　いさわのみやに はべるとき　きしゐのいなだ ほおむしに　いたむおなけき あるかたち　つぐるいさわの おをんかみ　あまのまなゐに きはひがし 　はなハもみなみ このみにし 　みおわけおふる きのみゆえ 　きみはｿｰめかみ しかるのち 　いさわのみやに はべるとき 　きしゐのいなだ ほオむしに 　いたむおなけき あるかたち 　つぐるいさわの オをんかみ 　あまのまなゐに 9 みゆきあと　たみのなけきに むかつひめ　いそぎきしいに ゆきひらき　たのきにたちて おしくさに　あふぐわかひめ うたよみて　はらひたまえは むしさるお　むかつひめより このうたお　みそめおまてに たたつませ　おのおのともに みゆきあと 　たみのなけきに むかつひめ 　いそギきしいに ゆきひらき 　たのきにたちて おしくさに 　あふぐわかヒめ うたよみて 　はらひたまえは むしさるお 　むかつヒめより このうたお 　三十めおまてに たゝつませ 　おのおのともに 10 うたはしむ　いなむしはらふ わかのましない たねはたね　うむすぎさかめ まめすめらのそろはもはめそ むしもみなしむ くりかえし　みもむそうたい どよませば　むしとひさりて にしのうみ　ざらりむしさり うたはしむ 　いなむしはらふ わかのましない たねはたね 　うむすギさかめ まめすめらのソロハもはめそ むしもみなしむ くりかえし 　三モ六十うたひ どよませば 　むしとひさりて にしのうみ 　ざらりむしさり 11 ゑおはらひ　やはりわかやぎ よみかえる　そろにみのりて ぬばたまの　よのかておうる おんたから　よろこびかえす きしゐくに　あひのまゑみや たまつみや　つくれはやすむ あひみやお　くにかけとなす わかひめの　こころおととむ ゑおはらひ 　やはりわかやギ よみかえる 　ソロろにみのりて ぬばたまの 　よのかておうる おんたから 　よろこびかえす きしゐくに 　ｱｶヒのまゑみや たまつみや 　つくれはやすむ ｱｶヒみやお 　くにかけとなす わかひめの 　こころおととむ 12 たまつみや　かれたるいねの わかかえる　わかのうたより わかのくに　たまつのをしか あちひこお　みればこがるる わかひめの　わかのうたよみ うたみそめ　おもいかねてぞ すすむるお　ついとりみれば きしいこそ　つまおみきわに たまつみや 　かれたるいねの わかゝえる 　わかのうたより わかのくに 　たまつのをしか あちヒこお 　みればこがるゝ わかヒめの 　わかのうたよみ うたみそめ 　おもいかねてぞ すゝむるお 　ついとりみれば きしいこそ 　つまおみきわに 13 ことのねの　とこにわきみお まつそこいしき おもえらく　はしかけなくて むすぶやは　これかえさんと かえらねは　ことのはなくて まちたまえ　のちかえさんと もちかえり　たかまにいたり もろにとふ　かなざきいわく ことのねの 　とこにわきみお まつそこいしき おもえらく 　はしかけなくて むすブやは 　これかえさんと かえらねは 　ことのはなくて まちたまえ 　のちかえさんと もちかえり 　たかまにいたり もろにとふ 　かなざきいわく 14 このうたは　かえことならぬ まわりうた　われもみゆきの ふねにあり　かぜはけしくて なみたつお　うちかえさじと まわりうたよむ なかきよの　とおのねふりの みなめさめ　なみのりふねの おとのよきかな このうたは 　かえことならぬ まﾜｶりうた 　われもみゆきの ふねにあり 　かぜはけしくて なみたつお 　うちかえさジと まﾜｶりうたよむ なかきよの　 とおのねふりの みなめさめ　 なみのりふねの おとのよきかな 15 とうたえば　かぜやみふねは こころよく　あわにつくなり わかひめの　うたもみやびお かえさじと　もふせはきみの みことのり　かなさきかふね のりうけて　めそとなるなり やすかわの　したてるひめと あめはれて　そのおしくさは とうたえば 　かぜやみふねは こゝろよく 　あわにつくなり わかヒめの 　うたもみやびお かえさジと 　もふせはきみの みことのり 　かなさきカふね のりうけて 　めｿｰとなるなり やすかわの 　したてるヒめと ｱｶめはれて 　そのおしくさは 16 ぬばたまの　はなはほのほの からすばの　あかきはひので ひあふきの　いたもてつくる あふぎして　くにもりをさむ をしゑくさ　からすあふぎは そふはのり　ひあふきのはは みなはらふ　あわのよそやぞ またみそふ　みちなわすれそ ぬバたまの 　はなはほのほの からすバの 　あかきはヒので ヒあふｷｼの 　いたもてつくる あふギして 　くにもりをさむ をしゑくさ 　からすあふギは 十二ハのり 　ヒあふきのハは みなはらふ 　あわの四十やぞ また三十二 　みちなわすれそ 17 はなきねは　ゐなにつつるお あねにとふ　あねのこたえは あわのふし　またとふはらひ みそふなり　いまみそひとは このをしゑ　あめのめくりの みむそゐゑ　よつみつわけて みそひなり　つきはおくれて みそたらず　まことみそひぞ はなきねは 　五七につゝるお あねにとふ 　あねのこたえは あわのふし 　またとふはらひ 三十二なり 　いま三十一とは このをしゑ 　ｱｶめのめくりの 三む十五ゑ 　四つ三つわけて 三十一なり 　つきはおくれて 三十たらず 　まこと三十一ゾ 18 しかれとも　あとさきかかり みそふかも　あるまうかかふ おゑものお　はらふはうたの こゑあまる　しきしまのゑに ひとうまれ　みそひかにかす めはみそふ　うたのかずもて わにこたふ　これしきしまの わかのみちかな しかれとも 　あとさきかゝり 三十二かも 　あるまうかカふ オゑものお 　はらふはうたの こゑあまる 　しきしまのゑに ヒとうまれ 　三十一かにかす めは三十二 　うたのかずもて ﾜｶにこたふ 　これしきしまの わかのみちかな