はらみつつしむおびのあや

頁 音　　　　　字 数　　　　　字 1 　はらみつつしむおびのあや ふそゐすす　ももゑふそやほ としさみと　かしまのみやの ひとりひめ　そのこなければ かしまきみ　かとりのみやに ゆきいたる　ふつぬしむかえ とことおゑ　いりますのちに ものかたり　しろすことくに 　はらみつゝしむおびのあや 二十五すゝ　百ゝゑ二十八ほ としさみと　かしまのみやの 一とりひめ　そのこなければ かしまきみ　かとりのみやに ゆきいたる　ふつぬしむかえ とことおゑ　いりますのちに ものかたり　しろすことくに 2 ひひめあり　つきこなけれは かすがとの　あまのこやねは よにひいで　かすがのかみと なおたまふ　われねがわくは かんつきみ　はしかけなくて たまわんや　ふつぬしこたえ わかおゐの　わかひこさきに をしかにて　さかむかひして 一ひめあり　つきこなけれは かすがとの　あまのこやねは よにひいで　かすがのかみと なおたまふ　われねがわくは かんつきみ　はしかけなくて たまわんや　ふつぬしこたえ わかおゐの　わかひこさきに をしかにて　さかむかひして 3 あひそめて　それよりいまに むつまじく　いまそのきみの ことなさば　われももふける このごとく　なかおなさんと ひたかみえ　しかにこたえて かえろきき　ともにのほりて なかくにの　かすがにいたり そのちちの　こことむすひに あひそめて　それよりいまに むつまじく　いまそのきみの ことなさば　われももふける このごとく　なかおなさんと ひたかみえ　しかにこたえて かえろきゝ　ともにのほりて なかくにの　かすがにいたり そのちゝの　こゝとむすひに 4 こひうけて　たかまにのほる もろともに　これうかがえは みことのり　みゆるしうけて おかむのち　ふたきみかえる もとつくに　こことむすびは うらなひて　よきひにちなみ ととのゑて　ことほきおえて むつまじく　こやねはあめに こひうけて　たかまにのほり もろともに　これうかゞえは みことのり　みゆるしうけて おかむのち　二たきみかえる もとつくに　こゝとむすびは うらなひて　よきひにちなみ とゝのゑて　ことほきおえて むつまじく　こやねはあめに 5 つかえます　いつしかひめも はらむよし　あめにつくれは みことのり　こもりにこれお とはしむる　ひめきみあひて みたねうむ　みはたおこえは こもりたも　ひめのいろせに ならひきと　ひめはかえして いといなや　いろせにとはは つかえます　いつしかひめも はらむよし　あめにつくれは みことのり　こもりにこれお とはしむる　ひめきみあひて みたねうむ　みはたおこえは こもりたも　ひめのいろせに ならひきと　ひめはかえして いといなや　いろせにとはゝ 6 あぢもまだ　よそにとわんと おもふなり　こころまよえは をしゑこふ　ここにこもりの みたねふみ　あめつちいまた わかさるに　ういのひといき まとかにて　みつにあぶらの めそわかれ　そまつのほりて あめとなる　めはのちくたり あぢもまだ　よそにとわんと おもふなり　こゝろまよえは をしゑこふ　こゝにこもりの みたねふみ　あめつちいまた わかさるに　ういの一といき まとかにて　みつにあぶらの めそわかれ　そまつのほりて あめとなり　めはのちくたり 7 くにどろの　はにみづわけて はにはやま　みつはうみなり そのうつほ　かぜとうこきて ほとはける　そせのむなもと ひとまろめ　あちかくめくり そにくばる　いものみなかみ つきとこる　はにちかきゆえ めにくばり　うつほかせほと くにどろの　はにみづわけて はにはやま　みつはうみなり そのうつほ　かぜとうこきて ほとはける　そせのむなもと ひとまろめ　あちかくめくり そにくばる　いものみなかみ つきとこる　はにちかきゆえ めにくばり　うつほかせほと 8 みつはにの　ゐつましわりて ひととなる　のちはいもそせ とつきうむ　そははにむかひ とつぐとき　かりのしじなみ ほねあぶら　めはあにむかひ ましわりの　かねのにしなぎ とわたなす　ちちのかりなみ たましまえ　しはするときに みつはにの　五つましわりて ひとゝなる　のちはいもそせ とつきうむ　そははにむかひ とつぐとき　かりのしじなみ ほねあぶら　めはあにむかひ ましわりの　かねのにしなぎ とわたなす　ちゝのかりなみ たましまえ　しはするときに 9 ちなみあひ　ひるはにうえに ひたのほり　よるはしうえに みぎくたり　あすふためぐり みめくりと　みそかにはみそ みそひふみ　みかたりゆるむ たらむとて　ははのつつしみ そのいきす　よろみちむやそ めのいきす　よろみちもやむ ちなみあひ　ひるはにうえに ひたのほり　よるはしうえに みぎくたり　あすふためぐり 三めくりと　三十かには三そ 三そ一二三　三かたりゆるむ たらむとて　はゝのつゝしみ そのいきす　よろみちむ八十 めのいきす　よろ三千も八六 10 みたねゑて　ははにますいき みもむその　あすはなもふそ みかちやそ　みそかよろやも みそやかに　よろみちむやそ もととまし　ふよろむちやも よそむたび　ましととまりて みめぐりは　ふつきいたれば みかはしり　しはさらにきる みたねゑて　はゝにますいき 三も六十の　あすは七も二十 三か千八十　三十かよろやも 三十八かに　よろ三千六八十 もとゝまし　二よろ六千八も よ十むたび　ましとゝまりて みめぐりは　二つきいたれば 三かはしり　しはさらにきる 11 きさらとて　ははのつつしみ むそよかは　むそよめぐりに きわまりて　みめぐりすべて ちやそなり　つひにたねなる おのころの　ゑなのへそのこ かわくるま　ややししおもり めくりへる　あすむそみたび つきむそふ　おそりめくりて きさらとて　はゝのつゝしみ 六十四かは　六そよめぐりに きわまりて　みめぐりすべて 千八十なり　つひにたねなる おのころの　ゑなのへそのこ かわくるま　やゝしゝおもり めくりへる　あす六そ三たび つき六十二　おそりめくりて 12 みつきには　みそことなれは みかやすむ　みとりはななり やよいさむ　やよもつつしみ よつきには　このみうるうも つつしみよ　ゐつきはもとの ひとめくり　いはふよろむち やもよそむ　はらおびのゐも つつしみよ　あもとにまねく みつきには　みそことなれは みかやすむ　みとりはななり やよいさむ　やよもつゝしみ よつきには　このみうるうも つゝしみよ　ゐつきはもとの 一とめくり　いはふよろむ千 やもよ十六　はらおびのゐも つゝしみよ　あもとにまねく 13 あらみたま　つきのにこたま たらのほと　みつましはりて こころいき　なりてみつかふ つゆあふれ　むつきいたれは かわくゆえ　ほそのこくだに ちしるかふ　なつきちおにて ゐいろはに　これくらわたと あふみなす　ここもつつしみ あらみたま　つきのにこたま たらのほと　三つましはりて こゝろいき　なりてみつかふ つゆあふれ　むつきいたれは かわくゆえ　ほそのこくだに ちしるかふ　なつきちおにて 五いろはに　これくらわたと あふみなす　こゝもつゝしみ 14 やつきにて　そみはなりはの はなるとき　ははのつつしみ これなるぞ　ははのうつほね またたたは　はるのそらねお はにあみて　いだくにたれば たたといふ　かかはあきのね いつくしみ　かかげあかせる こころさし　ちちはちてとの 八つきにて　十三はなりはの はなるとき　はゝのつゝしみ これなるぞ　はははうつほね またたたは　はるのそらねお はにあみて　いだくにたれば たたといふ　かかはあきのね いつくしに　かゝげあかせる こゝろさし　ちゝ（父）は「ちてと」の 15 をしてなり　ちちははあめお はにあみて　つらなるみやび ててたたよ　ちきりしたしむ ととかかぞ　こつきみめこえ そなわりて　とつきくらいし そふつきは　つきみちうまる みたねこれなり おりしもに　ひめのなげきは をしてなり　ちゝはゝあめお はにあみて　つらなるみやび てゝたたよ　ちきりしたしむ とゝかゝぞ　九つきみめこえ そなわりて　十つきくらいし 十二つきは　つきみちうまる みたねこれなり おりしもに　ひめのなげきは 16 こおをもふ　かぜのともしひ たまこつむ　やすきひもなく みつおこひ　あるはすおこひ むなさわき　つらにのほせは ゑだひえて　ひめもすなやみ みけたべず　むねのいたみや めのくらみ　たまによきひは まめひらふ　このいたわりも こおをもふ　かぜのともしひ たまこつむ　やすきひもなく みつおこひ　あるはすおこひ むなさわき　つらにのほせは ゑだひえて　ひめもすなやみ みけたべず　むねのいたみや めのくらみ　たまによきひは まめひらふ　このいたわりも 17 つつしみて　よきとしのべど いまわかみ　いきすひととき よそじほど　たらぬやまふの かなしさよ　こもりはひめの いきすみて　ちはらおなでて ゑみすかほ　いきすたらぬは ひめみこよ　これとのきみの とこかたり　われひめみこお つゝしみて　よきとしのべど いまわかみ　いきす一とゝき 四十じほど　たらぬやまふの かなしさよ　こもりはひめの いきすみて　ちはらおなでゝ ゑみすかほ　いきすたらぬは ひめみこよ　これとのきみの とこかたり　われひめみこお 18 まふけらん　たちからわこお まねかんな　わかよろこひの かどひらき　しかはもふけの むねのはな　みなるそのこは ひのみたま　まつこもりくの みはしらに　むかひたにゐて めおまねき　そまづめくりて めおつつむ　めかせばまりて まふけらん　たちからわこお まねかんな　わかよろこひの かどひらき　しかはもふけの むねのはな　みなるそのこは ひのみたま　まつこもりくの みはしらに　むかひたにゐて めおまねき　そまづめくりて めおつゝむ　めかせばまりて 19 はゑいつる　はなくきはしぢ そのはしめ　そのこうむなり めのこには　めのめよりうく つきみたま　みやおうるほし そむきいて　のちうくるひの ましわりは　めまづめぐりて そおつつむ　そはしぢならず たましまが　うちにつほみて はゑいつる　はなくきはしぢ（路） そのはしめ　そのこうむなり めのこには　めのめくりうく つきみたま　みやおうるほし そむきいて　のちうくるひの ましわりは　めまづめぐりて そおつゝむ　そはしぢならず たましまが　うちにつほめて 20 めのはしめ　めのこうむなり めはつきの　おそくめくれは ひひのまし　みもよそなづつ ふそこかは　よろちむそみの みそかには　ひとつもどりて みしひより　みそみかまでも みかのうち　ひにそこもとり みそよかも　ひともとりして めのはしめ　めのこうむなり めはつきの　おそくめくれは ひゝのまし　みもよそ七づゝ 二十九かは　よろちむそみの 三十かには　一とつもどりて 三十一より　みそ三かまでも 三かのうち　ひに十こもとり 三十四かも　一ともとりして 21 さつめへり　みそゐかよりぞ ひひのまし　みもよそななり よそかには　もとましともに ふよろむち　みもなそふにて みちきわむ　ゑなのめくりも なそらえて　やかてうまれん おをんかみ　こそむつきます このこやね　ももつきませり さつめへり　三十五かよりぞ ひゝのまし　三も四十七なり よそかには　もとましともに 二よろむ千　みも七十二にて みちきわむ　ゑなのめくりも なそらえて　やかてうまれん おをんかみ　九十六つきます このこやね　もゝつきませり 22 たちからそ　みそむつきます さるたひこ　そむとしおれど これはまれ　そのこはとしに めはとつき　いきすよければ うむもやすきぞ またのとい　たみはこさわに かみとのの　こなきはいかん こもりまた　せおりつひめの たちからそ　三十むつきます さるたひこ　そむとしおれど これはまれ　そのこはとしに めはとつき　いきすよければ うむもやすきぞ またのとい　たみはこさわに かみとのゝ　こなきはいかん こもりまた　せおりつひめの 23 つつしみに　たみのなすわざ みおくだき　はたらくとても こころむく　あぶらさかんに こおふるぞ　くにかみなどは たみのため　こころつくして あふらへり　こたねまれなり たかきみは　しもかうらやみ かなはねの　おきておうらみ つゝしみに　たみのなすわざ みおくだき　はたらくとても こゝろむく　あぶらさかんに こおうるぞ　くにかみなどは たみのため　こゝろつくして あふらへる　こたねまれなり たかきみは　しもかうらやみ かなはねの　おきておうらみ 24 きみそしる　これもあたなり うちみやの　あおめのいぶり けおさます　そばのことしろ まめなれは　これおさむめか うらむなり　きみかめぐみも ついわすれ　うらみねたむの にはさくら　さかずはしれよ よろたみの　うらめんめどの きみそしる　これもあたなり うちみやの　あおめのいぶり けおさます　そばのことしろ まめなれは　これおさむめか うらむなり　きみかめぐみも ついわすれ　うらみねたむの にはさくら　さかずはしれよ よろたみの　うらめんめどの 25 よろさくら　あめにうゑてし おろかめか　ねたむいそらの かなつゑに　こたねうたれて ながれゆく　あるはかたわと なすいそら　ねたむそのいき ひよろみち　むれてうろこの おろちなす　たましまのひま うかかひて　こつぼにいりて よろさくら　あめにうゑてし おろかめか　ねたむいそらの かなつゑに　こたねうたれて ながれゆく　あるはかたわと なすいそら　ねたむそのいき 一よろ三千　むれてうろこお おろちなす　たましまのひま うかゝひて　こつぼにいりて 26 はらみこお　かみくだくゆえ たねならす　かたわうむなり まづしきは　およばぬとみお うらやみて　うらみのあだに たねほろぶ　ひとおねためは ひにみたび　ほのほくらひて みもやする　ねたむねたまる みなとがぞ　たとえばはべる はらみこお　かみくだくゆえ たねならす　かたわうむなり まづしきは　およばぬとみお うらやみて　うらみのあだに たねほろぶ　ひとおねためは ひに三たび　ほのほくらひて みもやする　ねたむねたまる みなとがぞ　たとえばはべる 27 あおめたち　ゐいろのはなぞ そのきみの　こころあおきは あおにめで　きなるははなの きおめでし　あかきははなの あかにめで　しろきははなの しろにめで　くろきははなの くろおめず　おなじこころに あいもとむ　きみのこころと あおめたち　五いろのはなぞ そのきみの　こゝろあおきは あおにめで　きなるははなの きおめでし　あかきははなの あかにめで　しろきははなの しろにめで　くろきははなの くろおめず　おなじこゝろに あいもとむ　きみのこゝろと 28 わかはなと　あふやあわぬや あえしらず　てれはうらむな あげらるも　ゑもべもよらず もとむなり　てればめすとも いくたびも　おそれてのちは うらみなし　つつしみはこれ もろひめら　まさにしるへし いろのはな　ひとたびめでて わかはなと　あふやあわぬや あえしらず　てれはうらむな あげらるも　ゑもべもよらず もとむなり　てればめすとも いくたびも　おそれてのちは うらみなし　つゝしみはこれ もろひめら　まさにしるへし いろのはな　一とたびめでゝ 29 はやちれは　ちるとすてられ よそのはな　めすときはその はなさかり　つらつらおもえ みのはなも　ひともうつれば ちるはなぞ　たれさしうらむ ひともなし　もしあやまれは たねたちて　みとがめあれど そのひとは　まだたちもたず はやちれは　ちるとすてられ よそのはな　めすときはその はなさかり　つらつらおもえ みのはなも　ひともうつれば ちるはなぞ　たれさしうらむ ひともなし　もしあやまれは たねたちて　みとがめあれど そのひとは　まだたちもたず 30 つゑうたず　ひとうちころす ゆえもなし　めはひとみちに おもえとも　ねたみわつらふ むねのほが　おろちとなりて こたねかむ　さわりのぞかん よつきふみ　つつしむあやの はなとはな　うてばちるなり もろともに　つねにつつしみ つゑうたず　ひとうちころす ゆえもなし　めは一とみちに おもえとも　ねたみわつらふ むねのほが　おろちとなりて こたねかむ　さわりのぞかん よつきふみ　つゝしむあやの はなとはな　うてばちるなり もろともに　つねにつゝしみ 31 なわすれそこれ はらみこお　とひうるための たひやどり　あるひひめかみ またのとひ　おしえのおびは わさありや　こもりこたえて たまきねの　をしゑのおびは みみのはに　しなわきまえて くにをさむ　おびはゐわたの なわすれそこれ はらみこお　とひうるための たひやどり　あるひひめかみ またのとひ　おしえのおびは わさありや　こもりこたえて たまきねの　をしゑのおびは 三みのはに　しなわきまえて くにをさむ　おびは五わたの 32 かためなり　そはしたあわせ めはうえぞ　はらみのおびは かつらきの　よつきやしろに みたねのる　ときにあめより にいとりの　ひとはおつれは あまつのり　これはいふきの なるもみぢ　ばけてかつらき いとりやま　はねさきみれば かためなり　そはしたあわせ めはうえぞ　はらみのおびは かつらきの　よつきやしろに みたねのる　ときにあめより にいとりの　一とはおつれは あまつのり　これはいふきの なるもみぢ　ばけてかつらき いとりやま　はねさきみれば 33 ふそよすぢ　かずそなわれと つねあらず　もろとりみれは そゐにさけ　ひたかみにつる たてまつる　はねさきみれは ふそよなり　これもろはねお よりたたし　そつるおたてに めおよこに　けふのほそぬの おりもつて　よそやそなはる ふそよすぢ　かずそなわれと つねあらず　もろとりみれは そ五にさけ　ひたかみにつる たてまつる　はねさきみれは ふそよなり　これもろはねお よりたゝし　そつるおたてに めおよこに　けふのほそぬの おりもつて　よ十八そなはる 34 みはらおび　ははのいざなみ ながはらみ　こそむつきへて うみたまふ　あまてるかみぞ はたれまの　さはれどおびに ととのひて　よそやそなはる そのためし　たれはひめきみ さはらねと　いきすひたちと なすおびぞ　ときにみかつち みはらおび　はゝのいざなみ ながはらみ　九十六つきへて うみたまふ　あまてるかみぞ はたれまの　そはれどおびに ととのひて　よそやそなはる そのためし　てれはひめきみ さはらねと　いきすひたちと なすおびぞ　ときにみかつち 35 いぶかしく　いきすひたちと なるおびの　わざにいきすは いつこえか　ときにこもりの こたえには　むかしとよけの のたまふは　あめよりさつく けふのおび　あめにのとりて ちちのたけ　くらぶるおびに ははのいき　ひたちとなるは いぶかしく　いきすひたちと なるおびの　わざにいきすは いつこえか　ときにこもりの こたえには　むかしとよけの のたまふは　あめよりさつく けふのおび　あめにのとりて ちゝのたけ　くらぶるおびに ははのいき　ひたちとなるは 36 いたくなり　あめにうなづき はにあみて　つらなりそたつ このためし　ちちのめくみは いたたくあ　ははのいつくし のするはに　あまてるかみも わすれじと　いとふそよすぢ よりあはせ　めそはふたえの みはとおり　このみはめして いたくなり　あめにうなづき はにあみて　つらなりそたつ このためし　ちゝのめくみは いたゝくあ　はゝのいつくし のするはに　あまてるかみも わすれじと　いと二十よすぢ よりあはせ　めそは二たえの みはとおり　このみはめして 37 あさことに　あめつちまつり たらちねに　つかふみこころ そのきみも　これともふせは みかつちも　よろこびけふの ののおらん　いわくはふたゑ あらさるか　こたえてひらく たからとの　うちよりいづる はふたゑは　きみのたまもの あさことに　あめつちまつり たらちねに　つかふみこゝろ そのきみも　これともふせは みかつちも　よろこびけふの のゝおらん　いわくは二たゑ あらさるか　こたえてひらく たからとの　うちよりいづる は二たゑは　きみのたまもの 38 ふたはあり　なすゆえしらず あめのはお　きるもおそれて くちんとす　いまさいわいの をしゑうる　ひめはこやねの たけしるや　しれりひとたけ ふたゐきぞ　かねきくうえの おんたけと　うまれあひたる みめくみと　もろのたまえば ふたはあり　なすゆえしらず あめのはお　きるもおそれて くちんとす　いまさいわいの をしゑうる　ひめはこやねの たけしるや　しれり一とたけ 二た五きぞ　かねきくうえの おんたけと　うまれあひたる みめくみと　もろのたまえば 39 いめかみに　いとありかたと ゑみすとき　ちちよろこびて はふたゑお　みたけのおびと なしたまふ　はらおびなせは みのいきす　ひたちとなりて ひめのとひ　うむときいかん こもりまた　これはかつてか よくしれり　われかえるのち いめかみに　いとありかたと ゑみすとき　ちゝよろこびて は二たゑお　みたけのおびと なしたまふ　はらおびなせは みのいきす　ひたちとなりて ひめのとひ　うむときいかん こもりまた　これはかつてか よくしれり　われかえるのち 40 くだすへし　あるひみとのに みあえして　こもりおまねき ものかたり　わかうまれつき みのたけも　ひたけむたあり ちからわざ　やたのひとらの よろひきの　いわおもなげて うつろいも　ひしげはたまふ ふたつるき　いまふしみれは くだすへし　あるひみとのに みあえして　こもりおまねき ものかたり　わかうまれつき みのたけも　一たけ六たあり ちからわざ　やたのひとらの よろひきの　いわおもなげて うつろいも　ひしげはたまふ ふたつるき　いまふしみれは 41 おきなかみ　さかるこもりと くらぶれは　われはあかごの みちうけて　ひとなるかえの いしづつお　すすめうやまふ ときこもり　おとろきわれは みちのおと　こやねのおやも わかおやと　かえものうけず みかつちは　はおはぢすすむ おきなかみ　さかるこもりと くらぶれは　われはあかごの みちうけて　ひとなるかえの いしづゝお　すゝめうやまふ ときこもり　おとろきわれは みちのおと　こやねのおやも わかおやと　かえものうけず みかつちは　なおはぢすゝむ 42 こもりみて　つるきおおかみ いたたけば　みかつちえみて くらなして　まつりたえんお ひめありて　よつきみちきく こはたから　いきすもしれは いきすみや　こやねとひめと ここにおき　われはのちやに ふつぬしと　ひたちおびなし こもりみて　つるきおおかみ いたゝけば　みかつちえみて くらなして　まつりたえんお ひめありて　よつきみちきく こはたから　いきすもしれは いきすみや　こやねとひめと こゝにおき　われはのちやに ふつぬしと　ひたちおびなし 43 さつけんと　かたりとことも ととのひて　こもりはあめに かえりけり　のちにかとりの みやにゆき　かたりてともに ひたかみに　つくれはきみも よろこびて　けふのほそぬの おらしむる　たかまのはらの かりみやに　おひたまわれば さつけんと　かたりとことも とゝのひて　こもりはあめに かえりけり　のちにかとりの みやにゆき　かたりてともに ひたかみに　つくれはきみも よろこびて　けふのほそぬの おらしむる　たかまのはらの かりみやに　おひたまわれば 44 もろかなも　ひたちのみやと もののへか　めでてつくれる かしまみや　こやねとひめと いきすみや　ひめはもろめの はらむとき　いきすつつしみ をしゑます　やめるはくすり これおうく　かとりとかしま いきすみや　たまふひたちの もろかなも　ひたちのみやと ものゝへと　めでゝつくれる かしまみや　こやねとひめと いきすみや　ひめはもろめの はらむとき　いきすつゝしみ をしゑます　やめるはくすり これおうく　かとりとかしま いきすみや　たまふひたちの 45 おびのなも　ゐはたおびとぞ たけやたは　やそよろそのこ なれたけぞ　はらみのうちの あそひには　まめおひろえよ まめなるぞ　もしもそふこお うむははは　つきのくらいそ ひとはらみ　みつこおうめは みひかりの　さいわひありと おびのなも　五はたおびとぞ たけやたは　やそよろそのこ なれたけぞ　はらみのうちの あそひには　まめおひろえよ まめなるぞ　もしも十二こお うむはゝは　つきのくらいそ ヒとはらみ　三つこおうめは 三ひかりの　さいわひありと 46 あめにつぐ　あまねくふりて ほつまくに　をさまるのちに ふつぬしの　かとりのみちお ことことく　こやねにさつけ かくれます　かしまのみちの おくもみな　こやねにさつく かすかとの　たまかえしなす おくのりも　こやねにさつく あめにつぐ　あまねくふれて ほつまくに　をさまるのちに ふつぬしの　かとりのみちお ことことく　こやねにさつけ かくれます　かしまのみちの おくもみな　こやねにさつく かすかとの　たまかえしなす おくのりも　こやねにさつく 47 このゆえに　よものまつりも おのづから　ひとりにつけり かしまかみ　ひめうむときに ははかなお　こえどなづけず まえひとり　ひめはひめなり またうまは　まきれんために いみなせん　まつひめかみと ばかりいふ　ゆえにこやねも このゆえに　よものまつりも おのづから　一とりにつけり かしまかみ　ひめうむときに ははかなお　こえどなづけず まれ一とり　ひめはひめなり またうまは　まきれんために いみなせん　まつひめかみと ばかりいふ　ゆえにこやねも 48 よよのりと　はつはひめきみ つきのなも　たえのおくのり つつしみの　ひたちおびこそ いともかしこし よゝのりと　はつはひめきみ つきのなも　たえのおくのり つゝしみの　ひたちおびこそ いともかしこし