ひこみことちおゑるのあや

頁 音　　　　　字 数　　　　　字 1 　ひこみことちおゑるのあや みそふすす　ふそみほつうゑ うつきはつ　わけいかつちの あまきみは　ふかきおもひの あるにより　おおしまおして あわうたの　みつほのみやお つくらしむ　なれはひおみて うつらんと　さきにたらちお 　ひこみこと　ちおゑるのあや 三そ二すゝ　二十三ほつうゑ うつきはつ　わけいかつちの あまきみは　ふかきおもひの あるにより　おゝしまおして あわうたの　みつほのみやお つくらしむ　なれはひおみて うつらんと　さきにたらちお 2 ひたるとき　はこねのほらに いりますお　ははちちひめは ことありて　いせにいたりて おんかみに　あさゆふつかえ まつらしむ　そよろとしへて いまかれに　はこねにもふて ぬさささけ　それよりいせに みゆきなる　おんかみおよび ひたるとき　はこねのほらに いりますお　はゝちゝひめは ことありて　いせにいたりて おんかみに　あさゆふつかえ まつらしむ　そよろとしへて いまかれに　はこねにもふて ぬささゝけ　それよりいせに みゆきなる　おんかみおよび 3 ちちひめお　おかみてあわの みつほくに　みやうけしなる むめひとは　はらにととまり まつりこと　こやねあつかり ものぬしは　ともなすゆえに みぞくいお　そえものぬしと はらのもり　にはりにいます すせりみや　むかしのあとに 千ちひめお　おかみてあわの みつほくに　みやうつしなる むめひとは　はらにとゝまり まつりこと　こやねあつかり ものぬしは　ともなすゆえに みぞくいお　そえものぬしと はらのもり　にはりにいます すせりみや　むかしのあとに 4 いまつくる　うかわのみやに うつります　ふたあれすその うつみやは　おおつしのみや いまつくり　これたまわりて うつります　ときにいみなの ゆえあれは　うかわおこえど ゆるされず　つねにかりして たのしめば　やまさちひこと いまつくる　うかわのみやに うつります　二たあれすその うつみやは　おゝつしのみや いまつくり　これたまわりて うつります　ときにいみなの ゆえあれは　うかわおこえど ゆるされず　つねにかりして たのしめば　やまさちひこと 5 またすせり　つりたのしめば さちひこと　きみはみづから みかりなす　にしなかくにの やまおもて　いせきつつみに あらたなす　にしにいたりて はけやまお　とえばあれおさ あきといふ　きのあるなにて なきいかん　これおろちあり またすせり　つりたのしめば さちひこと　きみはみづから みかりなす　にしなかくにの やまおもて　いせきつゝみに あらたなす　にしにいたりて はけやまお　とえばあれおさ あきといふ　きのあるなにて なきいかん　これおろちあり 6 くにかみの　ひめおのむゆえ みなやけは　みげてひかわに きられける　しかれとやまは かぶろなり　いまにきこりの いとまあき　あまきみえみて なけくなと　あかつちかみに これをしゑ　ひすきのたねお うゑさしむ　ととせになりて くにかみの　ひめおのむゆえ みなやけは　にげてひかわに きられける　しかれとやまは かぶろなり　いまにきこりの いとまあき　あまきみえみて なけくなと　あかつちかみに これをしゑ　ひすきのたねお うゑさしむ　ととせになりて 7 みねこもる　たみつもたえず くにゆたか　またやまかげも みめくりて　ところところに いせきなし　たかたひらきて かえります　ゆたかなるとし みよろへる　ときにつくしの をさまらて　みこみくたりお こふゆえに　きみきこしめし みねこもる　たみつもたえず くにゆたか　またやまかげも みめくりて　ところところに いせきなし　たかたひらきて かえります　ゆたかなるとし 三よろへる　ときにつくしの をさまらて　みこみくたりお こふゆえに　きみきこしめし 8 しのみやお　つくしおきみと みことのり　うつきねはらの みやにゆき　いとまおこえは むめひとも　ともにのほりて みつほなる　あまきみをかむ ときにきみ　つくしはかての たらさるか　てれはゆきみて たおまさん　かれむめひとお しのみやお　つくしおきみと みことのり　うつきねはらの みやにゆき　いとまおこえは むめひとも　ともにのほりて みつほなる　あまきみをかむ ときにきみ　つくしはかての たらさるか　てれはゆきみて たおまさん　かれむめひとお 9 おきみとす　こやねものぬし もろともに　ここにととまり まつりきけ　うつきねすせり きたのつに　ゆきてをさめよ いささわけ　あればむつめよ あまきみは　にしのみやより かめにのり　つくしうましの うどにつき　つくしあまねく おきみとす　こやねものぬし もろともに　こゝにとゝまり まつりきけ　うつきねすせり きたのつに　ゆきてをさめよ いさゝわけ　あればむつめよ あまきみは　にしのみやより かめにのり　つくしうましの うどにつき　つくしあまねく 10 めくりかり　いせきつつみに あらたなす　のりさたむれは すみよしの　まごほたかみや しがのかみ　つくしにこえは そこのはで　かごにこえども ひめもすに　つきすむまても みおつくし　みとせにさしゑ ほぼなりて　つくりおこない めくりかり　いせきつゝみに あらたなす　のりさたむれは すみよしの　まごほたかみや しがのかみ　つくしにこえは そこのはで　かごにこえども ひめもすに　つきすむまても みおつくし　みとせにさしゑ（挿絵） ほゞなりて　つくりおこない 11 をさめしむ　のちにみつほに かえませは　むめひとおきみ しわかみの　ほつまのみやに かえりますかな ゑとのみや　きたつにありて こころみに　うみさちひこか さちかえん　やまさちひこも うなつきて　ゑはゆみやとり をさめしむ　のちにみつほに かえませは　むめひとおきみ しわかみの　ほつまのみやに かえりますかな ゑとのみや（絵詞の宮）　きたつにありて こゝろみに（試みに）　うみさちひこか さちかえん　やまさちひこも うなつきて　ゑ（絵）はゆみやとり 12 やまにかる　とはうみにいり つりおなす　ともにむなしく さちあらず　ゑはゆみやかえ ちおもとむ　とはちおとられ よしなくて　にいちもとめは ゑはうけず　もとちはたれは たちおちに　ひとみにもれど なおいかり　さわなきもとの やまにかる　と（詞）はうみにいり つりおなす　ともにむなしく さちあらず　ゑはゆみやかえ ちおもとむ　とはちおとられ よしなくて　にいちもとめは ゑはうけず　もとちはたれは たちおちに　ヒとみにもれど なおいかり　さわなきもとの 13 ちおはたる　はまにうなたれ うれふとき　かりわなにおつ これおとく　しほつつのをぢ ゆえおとふ　ままにことふる をちいわく　きみなうれひそ はからんと　めなしかたあみ かもにいれ　うたふたつけて きみものせ　ほあげともつな ちおはたる　はまにうなたれ うれふとき　かりわなにおつ これおとく　しほつゝのをぢ ゆえおとふ　まゝにことふる をちいわく　きみなうれひそ はからんと　めなしかたあみ かもにいれ　うたふたつけて きみものせ　ほあげともつな 14 ときはなつ　つくしうましの はまにつく　かもあみすてて ゆきいたる　そこはでかみの みつかきや　うてなかかやく ひもくれて　はゑばゆつりは しきもして　いねもせでまつ あまのとも　あけてむれでる わかひめか　まりにわかみつ ときはなつ　つくしうましの はまにつく　かもあみすてゝ ゆきいたる　そこはでかみの みつかきや　うてなかゝやく ひもくれて　はゑばゆつりは しきもして　いねもせでまつ あまのとも（真の点）　あけてむれでる わかひめか　まりにわかみつ 15 くまんとす　つるへはゆれは かけうつる　おとろきいりて たらにつぐ　そらつかみかは まれひとと　ちちはみはもお のそみみて　やゑのたたみお しきもうけ　ひきいれまして ゆえおとふ　きみあるかたち のたまえは　はてかみしばし くまんとす　つるへはゆれは かけうつる　おとろきいりて たらにつぐ　そら（宙）つかみかは まれひとゝ　ちゝはみはもお のそみゝて　八ゑのたゝみお しきもうけ　ひきいれまして ゆえおとふ　きみあるかたち のたまえは　はてかみしばし 16 おもふとき　うどもりきたり かたあみの　たかかもかある としのあさ　うたえそむるお とりみれは　わかのうたあり しほづつか　めなしかたあみ はるべらや　みちひのたまは はでのかんかぜ ときにはで　もろあまめして おもふとき　うどもりきたり かたあみの　たかかもかある としのあさ　うたえそむるお とりみれは　わかのうたあり しほづゝか　めなしかたあみ はるべらや　みちひのたまは はでのかんかぜ ときにはで（派手）　もろあまめして 17 これおとふ　ひきめはひかん あらこあみ　くちめかつりも よしなしや　あかめひとりは めなしあみ　ここにはてかみ もろあまお　あかめにそえて めなしあみ　よもひれとれば おおたいか　くちおかみさき まえによる　あかめはくちに これおとふ　ひきめはひかん（悲観） あらこあみ　くちめかつりも よしなしや　あかめひとりは めなしあみ　こゝにはて（果て）かみ もろあまお　あかめにそえて めなしあみ　よもひれとれば おゝたいか　くちおかみさき まえによる　あかめはくちに 18 もとちゑて　たいおいけすに まつべしと　つぐれははでは さきにしる　ゆめにたいきて われうおの　よしなきために くちささく　われはみけにと みことのり　たいはうおきみ みけのもの　しるしはうろこ みつにやま　うつしてかえす もとちゑて　たいおいけすに まつべしと　つぐれははでは さきにしる　ゆめにたいきて われうおの　よしなきために くちさゝく　われはみけにと みことのり　たいはうおきみ みけのもの　しるしはうろこ みつにやま　うつしてかえす 19 みつやまの　たいはこれなり くちはいむ　あかめおほめて よどひめと　きみはちおゑて よろこびに　しがのかみして かえさしむ　わににのりゆき しのみやで　やまくいまねき もろともに　うかわにゆけは みやあいて　とえばやまくい みつやまの　たいはこれなり くちはいむ　あかめおほめて よどひめと　きみはちおゑて よろこびに　しがのかみして かえさしむ　わにゝのりゆき しのみやで　やまくいまねき もろともに　うかわにゆけは みやあいて　とえばやまくい 20 これむかし　きみかちおかり とられしお　いまとりかえし とみやから　しがのかみして かえさしむ　しがはちおもち たてまつる　みやうかがひて わかちぞと　いいつつたつお そでひかえ　まちちといえは みやいかり　みちなくわれお これむかし　きみかちおかり とられしお　いまとりかえし とみやから　しがのかみして かえさしむ　しがはちおもち たてまつる　みやうかゞひて わかちぞと　いゝつゝたつお そでひかえ　まちちといえは みやいかり　みちなくわれお 21 なぜのろふ　ゑにはおとから のほるはず　こたえていなや くちいとお　かえてかすはず しれはさち　しらねはおとえ こまばいに　わびことあれと いえはなお　いかりてふねお こきいたす　たまおなくれは うみかわく　しがおひゆきて なぜのろふ　ゑにはおとから のほるはず　こたえていなや くちいと（愛）お　かえてかすはず しれはさち　しらねはおとえ こまばいに　わびことあれと いえはなお　いかりてふねお こきいたす　たまおなくれは うみかわく　しがおひゆきて 22 ふねにのり　みやとびにぐる やまくいも　はせゆきみやの ておひけば　しがまたなぐる たまのみづ　あふれてすでに しつむとき　なんちたすけよ われながく　おとのこまして かてうけん　ここにゆるして むかひふね　みやにかえりて ふねにのり　みやとびにぐる やまくいも　はせゆきみやの ておひけば　しがまたなぐる たまのみづ　あふれてすでに しつむとき　なんちたすけよ われながく　おとのこまして かてうけん　こゝにゆるして むかひふね（零化皮膚音）　みやにかえりて 23 むつみてぞさる はてすみは　きみにもふさく わかことて　とよつみひこと とよたまめ　たけすみひこと おとたまめ　つれいてきみお おかましむ　きみはつくしの かみあつめ　われつまいれん もろいかん　ときにほたかみ むつみてぞさる はてすみ（端点日御）は　きみにもふさく わかことて　とよつみひこと とよたまめ　たけすみひこと おとたまめ　つれいてきみお おかましむ　きみはつくしの かみあつめ　われつまいれん もろいかん　ときにほたかみ 24 もふさくは　さきにこふとき きみのなも　つくしのおきみ これここの　あまつかみなり おまかせに　むかしははきみ あまきみに　ひとよちきりて のちにめす　きみまづはかる なおよしと　かこしまみやに うつります　とよたまひめお もふさくは　さきにこふとき きみのなも　つくしのおきみ これこゝの　あまつかみなり おまかせに　むかしはゝきみ あまきみに　一とよちきりて のちにめす　きみまづはかる なおよしと　かこしまみやに うつります　とよたまひめお 25 みきさきに　すけうちしもめ ふたりずつ　むつぼねもなり ととのえは　そのあすみかに とよすみか　たまかさそろえ たままりも　むたりにもたせ みつささぐ　こえおそろえて ももひなき　まくばいのちの みかのひの　あわみつあびて みきさきに　すけうちしもめ 二たりづゝ　六つぼねもなり とゝのえは　そのあすみかに とよすみか　たまかさそろえ たまゝりも　むたりにもたせ みつさゝぐ　こえおそろえて ももひなき　まくばいのち（命）の みかのひの　かわみつあびて 26 うびちにの　かみからしもゑ はなむこにみつ 　まいらせふ　まいらせふ このときに　みそふあかたの かみうたい　よろとたのしむ しかるのち　さきのみゆきの いせきみな　みこころそえて にいたなす　つくしみそふの うびちにの　かみからしもゑ はなむこ（花婿）にみつ（密） 　まいらせふ　まいらせふ このときに　三十二あかたの かみうたい　よろとたのしむ しかるのち　さきのみゆきの いせきみな　みこゝろそえて にいたなす　つくし三十二の 27 みめくりて　かこしまにます としとしに　みのりもふえて くにゆたか　ことしうえつけ てれとよし　うさのあかたに はやらせて　さつきのもちの はるいわひ　もちにはゑしき うけかみに　いはふほなかと ゆつりはの　ほつまあそびの みめくりて　かこしまにます としとしに　みのりもふえて くにゆたか　ことし（言詞）うえつけ てれとよし　うさ（右左）のあかたに はやらせて　さつきのもちの はるいわひ　もちにはゑしき うけかみに　いはふほなかと ゆきりはの　ほつまあそびの 28 みづほうた　たのしにきはふ とよのくに　みそふのあかた みなはやる　かとまつはゑば ゆつりはも　はるしきかざる もとおりや　とよにきはひて むよろとし　へてもあそくに まだこえず　かれみやつくり うつります　はおかんがえて みづほうた　たのしにきはふ とよのくに　三十二のあかた みなはやる　かとまつはゑば ゆつりはも　はるしきかざる もとおりや　とよにきはひて むよろとし　へてもあそくに まだこえず　かれみやつくり うつります　はおかんがえて 29 かぞみねの　かぞうおいれて たおこやし　かげろふのひの こえくにの　たけいわたつは くつおあげ　あそひめゆなに たてまつる　きみめしあけて うちきさき　ここにもむよろ としおへて　しがのかみだは まだみてず　つくしのみやに かぞみねの　かぞうおいれて たおこやし　かげろふのひの こえくにの　たけいわたつは くつおあげ　あそひめゆなに たてまつる　きみめしあけて うちきさき　こゝにもむよろ としおへて　しがのかみだは まだみてず　つくしのみやに 30 うつります　はおかんがえて あぶらかす　いれてかすやの はにみつる　そのほこみその まねくゆえ　めぐりかんがえ つくしみや　ゆたかにこえて たみやすく　ここにもむよろ としおへて　みすすのあいた しはらくも　やすまでたみお うつります　はおかんがえて あぶらかす　いれてかすやの はにみつる　そのほこ三十の まねくゆえ　めぐりかんがえ つくしみや　ゆたかにこえて たみやすく　こゝにもむよろ としおへて　みすゝのあいた しはらくも　やすまでたみお 31 たすゆえに　きさきつほねも みこうます　かれこれおぼし みやすてて　うどにいたれば はでかみの　まねくかこしま ゆきまさす　きさきはちちに これおつぐ　はでかみうとに もうさくは　きみたのさずや しからすぞ　つほねはあれど たすゆえに　きさきつほねも みこうます　かれこれおぼし みやすてゝ　うどにいたれば はでかみの　まねくかこしま ゆきまさす　きさきはちゝに これおつぐ　はでかみうとに もうさくは　きみたのさずや しからすぞ　つほねはあれど 32 こおうまず　かれにすておき たたひとり　つれてしはらく ここにあり　つくしのたみお おもふはかりぞ こおうまず　かれにすておき たゝ一とり　つれてしはらく こゝにあり　つくしのたみお おもふはかりぞ