たけひとやまとうちのあや

頁 音　　　　　字 数　　　　　字 1 　たけひとやまとうちのあや かんやまと　いはわれひこの すめらぎは　みおやあまきみ よつのみこ　はははたまより あにみやの　ゐつせのたがの おきみなり　みおやあまきみ つくしたす　そとせをさめて ひたるとき　あまきみのにお 　たけひとやまとうちのあや かんやまと　いはわれひこの すめらぎは　みおやあまきみ よつのみこ　はゝはたまより あにみやの　五つせはたがの おきみなり　みおやあまきみ つくしたす　そとせをさめて ひたるとき　あまきみのにお 2 たけひとに　さづけあひらの かみとなる　きみみやざきに たねこらと　まつりとるゆえ しつかなり　かくやまのとみ なかすねか　ままにふるえは さはがしく　はらのおきみは かてととむ　かれになかすね ふねととむ　おほものぬしか たけひとに　さづけあひらの かみとなる　きみみやざきに たねこらと　まつりとるゆえ しつかなり　かくやまのとみ なかすねか　まゝにふるえは さはがしく　はしのおきみは かてとゝむ　かれになかすね ふねとゝむ　おほものぬしか 3 うたんとす　たがのおきみは おとろきて　つくしにくたり ともにたす　ものぬしひとり たみをさむ　ときにたけひと あびらひめ　めとりうむみこ たきしみみ　きみとしよろゐ ものがたり　むかしのみおや たかむすび　ひたかみうけて うたんとす　たがのおきみは おとろきて　つくしにくたり ともにたす　ものぬし一とり たみをさむ　ときにたけひと あびらひめ　めとりうむみこ たぎしみゝ　きみとし四十五 ものがたり　むかしのみおや たかむすび　ひたかみうけて 4 もますよほ　すきてあまひの おをんかみ　あめなるみちに たみおたす　みこのおしひと ゆづりうく　みまこきよひと またうけて　わけいかつちの あまきみと　あまのいわくら おしひらき　いつのちわきに をさまりて　みおやにつかふ もますよほ　すきてあまひの おをんかみ　あめなるみちに たみおたす　みこのおしひと ゆづりうく　みまこきよひと またうけて　わけいかつちの あまきみと　あめのいわくら おしひらき　いつのちわきに をさまりて　みおやにつかふ 5 みちあきて　ひかりかさゆる としのかす　ももなそこよろ ふちよもも　なそほへるまで おちこちも　うるはふくにの きみありて　あれもみたれず あめのみち　よにはやるうた 　のりくたせほつまぢ 　ひろむあまもいわふね みちあきて　ひかりかさゆる としのかす　もゝ七十九よろ 二千よもゝ　な十ほへるまで おちこちも　うるはふくにの きみありて　あれもみたれず あめのみち　よにはやるうた 　のりくたせほつまぢ 　ひろむあまもいわふね 6 しほつちの　おきなすすめて にぎはやか　いかんそゆきて むけさらん　もろみこもげに いやちこと　さきにをしての こたえつら　きみすみやかに みゆきなせ　あすすきみえに かんなみか　あみこみづから もろひきて　みふねのいたる しほつちの　おきなすゝめて にぎはやか　いかんそゆきて むけさらん　もろみこもげに いやちこと　さきにをしての こたえつら　きみすみやかに みゆきなせ　あすゝきみゑに かんな三か　あみこみづから もろひきて　みふねのいたる 7 はやすひと　よるあまおふね あひわけか　とえはくにかみ うつひこぞ　わだのつりにて きくみふね　むかふはみふね みちびくか　あひとこたえて みことのり　しいざほのすえ もたしめて　ふねにひきいれ なおたまふ　しいねつひこの はやすひと　よるあまおふね あひわけか　とえはくにかみ うつひこぞ　わだのつりにて きくみふね　むかふはみふね みちびくか　あひとこたえて みことのり　しいざほのすえ もたしめて　ふねにひきいて なおたまふ　しいねつひこの 8 ひくふねの　うさにいたれは うさつひこ　ひとあがりやに みあえなす　かしはでによる うさこひめ　たねこかつまと ちちにとひ　つくしのこしと おきのくに　ちのみやにこす やよひには　きびたかしまに なかくにの　まつりをさめて ひくふねの　うさにいたれは うさつひこ　一とあがりやに みあえなす　かしはでによる うさこひめ　たねこかつまと ちゝにとひ　つくしのこしと あきのくに　ちのみやにこす やよひには　きびたかしまに なかくにの　まつりをさめて 9 みとせます　うちにととのひ みふねゆく　あすすゐそゐほ きさらきや　はやなみたつる みつみさき　なもなみはやの みなとより　やまあとかわの さかのぼり　かうちくさかの あうゑもろ　やかたにいくさ ととのひて　たつたのみちは みとせます　うちにとゝのひ みふねゆく　あすゝ五十五ほ きさらきや　はやなみたつる みつみさき　なもなみはやの みなとより　やまあとかわお さかのぼり　かうちくさかの あうゑもろ（若路）　やかたにいくさ とゝのひて　たつたのみちは 10 ならびえす　いこまこゆれば なかすねか　いくさおこして わかくにお　うばわんやわと くさえさか　たたかひあわす ゐつせみこ　ひぢおいられて すすみゑず　すめらきふれる はかりこと　われはひのまご ひにむかふ　あめにさかえば ならびえす　いこまこゆれば なかすねか　いくさおこして わかくにお　うばわんやわと くさえさか　たゝかひあわす 五つせみこ　ひぢおいられて すゝみゑず　すめらきふれる はかりこと　われはひのまご ひにむかふ　あめにさかえば 11 しりそきて　かみおまつりて ひのままに　おそはばあだも やぶれんと　みなしかりとて やおえひく　あだもせまらず みふねゆく　ちぬのやまきて ゐつせかる　きのかまやまに おくらしむ　なぐさのとべか こばぬゆえ　つみしてさのえ しりそきて　かみおまつりて ひのまゝに　おそはゞあだも やぶれんと　みなしかりとて やおえひく　あだも（徒若）せまらず みふねゆく　ちぬの（布）やまきて 五つせかる　きのかまやまに おくらしむ　なぐさのとべか こばむゆえ　つみしてさのえ 12 くまのむら　いわたてこえて おきおこく　つぢかぜうけお たたよはす　いなゐいさちて あめのかみ　ははわだかみや いかがせん　くがにたしなめ またうみと　いるさびもちの うみのかみ　みけいりもまた さかなみの　うみおうらみて くまのむら　いわたてこえて おきおこく（黒）　つぢかぜふねお たゝよはす　いなゐいさちて あめのかみ　はゝわだかみや いかゞせん　くがにたしなめ またうみと　いるさびもち（寂若路）の うみのかみ　三けいりもまた さかなみの　うみおうらみて 13 かみとなる　すめらきみこも つつがなく　ゆくあらさかに いそらなす　にしきどこばに おえはけば　みなつかれふし ねふるとき　たかくらしたに ゆめのつげ　たけみかつちに みことのり　くにさやげれば なんぢゆけ　かみにこたえは かみとなる　すめらきみこも つゝがなく　ゆくあらさかに いそらなす　にしきどこばみ おえはけば　みなつかれふし ねふるとき　たかくらしたに ゆめのつげ　たけみかつちに みことのり　くにさやげれば なんぢゆけ　かみにこたえは 14 ゆかずとも　くにむけつるき くださんと　かみもうめなり みかつちの　ふつのみたまお くらにおく　これたてまつれ あひあひと　たかくらしたか ゆめさめて　くらおひらけば そこいたに　たちたるつるき すすむれば　きみのながねの ゆかずとも　くにむけつるき くださんと　かみもうめなり みかつちの　ふつ（沸）のみたまお くらにおく　これたてまつれ あひあひと　たかくらしたか ゆめさめて　くらおひらけば そこいたに　たちたるつるき すゝむれば　きみのながねの 15 おゑさめて　もろもさむれば いくさだち　やまちけわしく すえたえて　のにしぢまひて すめらきの　ゆめにあまてる かみのつけ　やたみからすお たちびきと　さむれはやたの からすあり　おおちかうがつ あすかみち　いくさひきゆく おゑさめて　もろ（若路）もさむれば いくさだち　やまちけわしく すえたえて　のにしぢまひて すめらきの　ゆめにあまてる かみのつけ　八たのからすお みちびきと　さむれはやたの からすあり　おゝち（大地）かうがつ あす（空透）かみち（地）　いくさひきゆく 16 みちをみか　みねこえうだの うがちむら　うがちしめせば あにはこず　おとはもふでて つげもふす　あにさからえど みあえして　はかるくるりお しろしめせ　かれにみちをみ さがすれば　あだなすことお おたけびて　なんちかつくる みちをみか　みねこえうだの うがちむら　うがぬしめせば あにはこず　おとはもふでゝ つげもふす　あにさからえど みあえして　はかるくるりお しろしめせ　かれにみちをみ さがすれば　あだ（徒）なすことお（言御） おたけびて　なんち（何路）かつくる 17 やにおれと　つるきよゆみと せめられて　いなむとこなき あめのつみ　おのがくるりに まかるなり　おとはもてなす きみとみも　よしのおのゑの ゐひかりも　いわわけかみと いてむかふ　たかくらやまの ふもとには　ゑしきかいくさ やにおれと　つるきよゆみと せめられて　いなむとこなき あめのつみ　おのがくるりに まかるなり　おとはもてなす きみとみも　よしのおのゑの ゐひかり（威光）も　いわわけ（言和分解）かみも いてむかふ　たかくらやまの ふもとには　ゑしきかいくさ 18 いはわれの　かなめによりて みちふさぐ　すめらきいのる ゆめのつけ　かみおまつれよ かくやまの　はにのひらてに ひもろげと　かみのをしえに なさんとす　おとうがしきて しきたける　かたきあかしも みなこばむ　きみおおもえは いはわれの　かなめによりて みちふさぐ　すめらきいのる ゆめのつけ　かみおまつれよ かくやまの　はにのひらてに ひもろげと　かみのをし（教）えに なさんとす　おとうがしきて しき（自己）たける　かたちあかし（灯）も みなこばむ　きみおおもえは 19 かくやまの　はにのひらての ひもろけに　あめつちまつり のちうたん　うがしかつげも ゆめあわせ　しいねつひこは みのとかさ　みおもつうがし おぢうばの　たみのすかたて かくやまの　みねのはにとり かえことは　みよのうらかた かくやまの　はにのひらての ひもろけに　あめつちまつり のちうたん　うがしかつげも ゆめあわせ　しいねつひこは みのとかさ　みおもつうがし おぢうばの　たみのすかたて かくやまの　みねのはにとり かえことは　みよのうらかた 20 ゆめゆめと　つつしみとれと みことのり　ちまたにあだの みちおれば　しいねつひこか いのりいふ　わかきみくにお さたむなら　みちもひらけん かならずと　たたちにゆけば あたもみて　さまおわらひて よけとふす　かれにかくやま ゆめゆめと　つゝしみとれと みことのり　ちまたにあだ（徒）の みちおれば　しいねつひこか いのりいふ　わかきみくにお さたむなら　みちもひらけん かならずと　たゝちにゆけば あたも（与若）みてさまおわらひて よけとふす　かれにかくやま 21 はにとりて　かえればきみも よろこびて　いづべおつくり にばかわの　うだにうつせる あさひはら　あまてるとよけ ふまつりは　みちおみぞまた かんみまこ　あめまひかひこ あたねして　わけつちやまの みおやかみ　みかまつらせて はにとりて　かえればきみも よろこびて　いづべおつくり にばかわの　うだにうつせる あさひはら　あまてるとよけ 二まつりは　みちおみぞまた かんみまこ　あめま一かひこ あたね（与値）して　わけつちやまの みおやかみ　三かまつらせて 22 あたおうつ　くにみかおかに いくさたて　つくるみうたに かんかせの　いせのうみなる いにしえの　やえはひもとむ したたみの　あこよよあこよ したたみの　いはひもとめり うちてしやまん このうたお　もろかうたえば あたお（与御）うつ　くにみかおかに いくさたて　つくるみうたに かんかせの　いせのうみなる いにしえの　やえはいもとむ したゝみの　あこよよあこよ したゝみの　いはひもとめり うちてしやまん このうたお　もろ（若路）かうたえば 23 あたかつぐ　しばしかんがふ にきはやひ　さすらそよすと おたけびて　またひことかも あめからと　いくさおひけば みかたゑむ　ねつきゆみはり しきひこお　きぎすにめせど あにはこず　またやるやたの からすなき　あまかみのみこ あたかつぐ　しばしかんがふ にきはやひ　さすらそよすと おたけびて　また一ことかも あめからと　いくさおひけば みかたゑむ　ねつきゆみはり し（此）きひこお　きゞすにめせど あにはこず　またやる八たの からすなき　あまかみのみこ 24 なんちめす　いさわいさわぞ ゑしききき　いとうなすかみ こゑぬとき　あたからすとて ゆみひけば　おとかやにゆき きみめすぞ　いさわいさわと からすなく　おとしきおちて かたちかえ　かみのいとうに われおそる　ゑゑなんちとて なんちめす（何路雌）　いさわいさわぞ ゑしききゝ　いとうなすかみ こゑぬとき　あたからすとて ゆみひけば　おとかやにゆき きみめす（雌）ぞ　いさわいさわと からすなく　おとしき（乙識）おちて かたちかえ　かみのいとうに われお（吾御）そる　ゑゝなんちとて 25 はもりあえ　ままにいたりて わかあには　あたすともふす ときにきみ　とえばみないふ ときさとし　をしえてもこぬ のちうつも　よしとたかくら おとしきと　やりてしめせど うけかはず　みちをみかうつ おしさかと　うつひこかうつ はもりあえ　まゝにいたりて わかあには　あたす（与日）ともふす ときにきみ　とえばみないふ ときさとし　をしえてもこぬ のちうつも　よしとたかくら おとしきと　やりてしめせど うけかはず　みちをみかうつ おしさかと　うつひこかうつ 26 おんなざか　ゑしきのにける くろざかに　はやみてうては たけるとも　ふつくきれとも なかすねか　たたかいつよく あたられす　ときにたちまき ひさめふり　こかねうのとり とびきたり　ゆはずにとまる そのひかり　てりかかやけば おんなざか　ゑしきのにける くろざかに　はやみてうては たけるとも　ふつく（沸宮）きれとも なかすねか　たゝかいつよく あたられす　ときにたちまち ひさめふり　こかねうのとり とびきたり　ゆはずにともる そのひかり　てりかゝやけば 27 なかすねか　たたかひやめて きみにいふ　むかしあまてる かみのみこ　いわふねにのり あまくだり　あすかにてらす にきはやひ　いとみかしやお きさきとし　うちみこのなも うましまち　わかきみはこれ にきはやひ　あまてるかみの なかすねか　たゝかひ（戦冷）やめて きみにいふ　むかしあまてる かみのみこ　いわふねにのり あまくだり　あすかにてらす にきはやひ　いと（意図）三かしやお きさきとし　うちみこのなも うましまち　わかきみはこれ にきはやひ　あまてるかみの 28 かんたから　とぐさおさづく あにほかに　かみのみまこと いつはりて　くにうははんや これいかん　ときにすめらき こたえいふ　なんちかきみも まことなら　しるしあらんぞ なかすねか　きみのゆきより ははやてお　あめにしめせば かんたから　とぐさおさづく あにほかに　かみのみまこと いつはりて　くにうははんや これいかん　ときにすめらき こたえいふ　なんちかきみも まことなら　しるしあらんぞ なかすねか　きみのゆきより はゝやてお　あめにしめせば 29 かんをして　またすめらきも かちゆきの　いだすははやの かんをして　なかすねひこに しめさしむ　すすまぬいくさ まもりいる　ねんころおしる にきはやひ　わかなかすねか うまれつき　あめつちわかぬ かたくなお　きりてもろひき かんをして　またすめらきも かちゆきの　いだすはゝやの かんをして　なかすねひこに しめさしむ　すゝまぬいくさ まもりいる　ねんころおしる にきはやひ　わかなかすねか うまれつき　あめつちわかぬ かたくなお　きりてもろ（若路）ひき 30 まつろえば　きみはもとより くにてるの　まめおうつしみ いはわれの　こやにめおねり としこえて　こせのほふりや そふとへと　ゐのほうりらも つちくもの　あみはるものお みなころす　たかおはりへか せひひくて　あしながくもの まつろえば　きみはもとより くにてるの　まめおうつ（映）しみ い（意）はわれ（我）の　こやにめおねり としこえて　こせのほふりや そふとへと　ゐのほうりらも つちくもの　あみはるものお みなころす　たかおはりへか せひひくて　あし（足）ながくもの 31 おおちから　いわきおふりて よせつけず　たがのみやもる うものぬし　くしみかたまに みことのり　ものぬしかがえ くずあみお　ゆひかふらせて ややころす　すへをさまれば つくしより　のほるたねこと ものぬしに　みやこうつさん おゝち（大地）から　いわきおふりて よせつけず　たがのみやもる うものぬし　くしみかたまに みことのり　ものぬしかがえ くずあみお　ゆひかふらせて やゝころす　すへをさまれば つくしより　のほるたねこと ものぬしに　みやこうつさん 32 くにみよと　みことをうけて めくりみる　かしはらよしと もふすとき　きみもをもひは おなしくと　あめとみおして みやつくり　きさきたてんと もろにとふ　うさつかもふす ことしろか　たまくしとうむ ひめたたら　ゐそすすひめは くにみよと　みことおうけて めくりみる　かしはらよしと もふすとき　きみもをもひは おなしくと　あめとみおして みやつくり　きさきたてんと もろにとふ　うさつかもふす ことしろか　たまくしとうむ ひめたゝら　五十すゝひめは 33 くにのいろ　あわみやにます これよけん　すめらきゑみて きさきとす　ことしろぬしお ゑみすかみ　まごのくしねお あかたぬし　やしろつくらせ めのふそか　まつるおおみは かんなみぞ　かんよりになも かんやまと　いはわれひこの くにのいろ　あわみやにます これよけん　すめらきゑみて きさきとす　ことしろぬしお ゑみすかみ　まごのくしねお あかたぬし（吾方主）　やしろつくらせ めの二十か　まつるおゝみは かんなみぞ　かんよりになも かんやまと　いはわれひこの 34 あまきみと　あまねくふれて としさなと　かしはらみやの はつとしと　みよかんたけの おおいなるかな あまきみと　あまねくふれて としさなと　かしはらみやの はつとしと　みよかんたけの おおいなるかな